【読書感想】サラバ!を読んでみた。
サラバ!読んでます報告してからいく年月って程経ってないけど、読みました。なんてったって昨日読了したので、もぎたてフレッシュな感想をお届けできるかと思う。
文体として、主人公の回想録的な形で物語は進んでいく。基本的に主人公目線しかなく、主人公は男。
女性の描く男性目線ってなんだか矛盾していてそれだけですごくワクワクする。西さんがご自分は女性だけど、男性としての目線をどういうマインドで書いているのか超知りたいところだし、読んでいる内に垣間見ることができる。
前回に触れたが、主人公にはヤバい姉がいる。どういう意味でヤバいかというと、主人公的に表現するならば「周りから注目されたい欲がありすぎる」というところだろうか。
つまり、みんなから見てもらいたいのだ。
見てもらいたいけど、別にとりたてて美人でも無ければ性格が女神級というわけでもない。だから他人からの注目を集めるとなると悪い意味でしか集まらない。そして主人公姉は奇怪な行動をとってしまうタイプなので、注目は集められても、周りからヘイトを買ってしまう。
そういう不器用な存在だ。
主人公はそんな姉に対し文句や意見の一つを言うこともなくそれはそれは冷めた目で見、だんまりを決め込んでいた。
もう1人、主人公を振り回した人物がいる。それは実の母親だ。
美しい母はいつも小綺麗に着飾り、どこまでも自由で貪欲なまでに幸せになろうとしていた。
そんなキャラが濃く、気の強いヤバい女たちに囲まれた主人公は、家族というものを早々に諦め、距離をとっていたが誰よりも"普通の家庭"に執着していた。
そんな主人公が、家族が最終どうなっていくのかは見どころの一つ。
また、ピースの又吉さんが帯のコメントを書かれていた。『凄かった。西加奈子の全部がここにある』
私も非常にそう思う。
作中で主人公一家がエジプトへ父の仕事で行き生活している様が上巻で書かれているのだが、その描写がやたらリアルなのだ。
というのも、西さんも幼少期エジプトで暮らされている。
主人公は男性だが、西さんとのリンク率は120%で、本当に西さん自身の話なんじゃないかと思う。
主人公関西弁喋ってるしね。
地下鉄サリン事件のこととか阪神淡路大震災のことにも触れられていてね。
その書き方が迫真で、全然他人事じゃない感が半端ない。
今宵もまた駄文を書いてしまった。。
軽く絶望の腐臭を自分自身から感じながまた明日も頑張ってブログ書くモチベをどこからか捻り出さねばいかんのです。