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メラメラ女子のブログ

今日私はこれを読んだ。

 

『罪の声』

塩田武士

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 かの有名なグリコ森永事件を題材とした長編物。私はこの事件時生まれておらず、当然リアルタイムで知っている筈もない事件だ。ええ、これはただの若さ自慢である。

『グリコ森永事件』という言葉の認知も危ういレベルの私が、無知にもほどがあると言わんばかりの勢いで読み始めたがこれがかなり面白いストーリーで、するすると読めた。なんの予備知識も必要としない点が読み物としてのクオリティの高さをまず物語っている。そういうのって良いよね〜、読者に対しての安心保証。そういう心配りというか守備範囲の広さがヒットの要因なんだろうな。

しかしグリコ森永事件て指令書ゲームみたいなことしてるなぁと感心。さすが昭和というか、令和な現代でこんなアナログな事件起こりようがないだろうと思ってフィクション感がかなりあった。実際にあった事件を題材にしているということは事前に知って読んでいたので、リアルとフィクションの狭間をユラユラした気分。ちょっとばかり初めての感覚だったのでなんか酔いそうだった。くらくら。

例によってあらすじについては割愛させていただくが、2つの視点から物語は語られる。視点が色々あるとややこしさが出てきそうで身構えることもあるかもしれないが、この本は大丈夫だった。というのも、視点は2つあるが行き着く先が同じだからだ。スタートが別なだけで、手にする結論が同じだということが最初からわかるから自然と頭の中が整理されていく。くっ、筆者できるな。

そして2つの語り手は真実を掴めるのだが、その真実がなんとも言えないのだ。虚無というか、人間の脈絡の無さと空っぽさがこれでもかってほど露呈していてやけにリアル。でもどこか「人間てそんなものよねぇ」と思っている自分を発見して、自分のことも他人のこともまだまだよくわからないけど、人間というものの輪郭はなんとなく把握してるんだなとちょっと自分に感動した。笑

かなりヒューマンドラマ要素が高い作品であることは確かだ。凄惨な事件であることは間違いないのだけど、時間という癒しなのか風化なのか、そのあたりよくわからないけど、そういったざっくりしたものに支えられ結局辿り着くところは「許し」なんじゃあないかとは思うわけで。人生について、語られた物語であるのだろう。

私が思うにこの本のテーマが人生、だからかは全く不明だが映画化してるみたい。今年の10月ですって。

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小栗旬星野源かぁ。どっちがどっちかはすぐわかる。星野源はビジュアル的にグー。合ってる気がする。しかし小栗旬はあかんやろ、かっこよすぎっ!

かっこいい人がびしっと決めてもつまらない。やっぱなよっとした、ちょっとたよんない人がある時びしっとするから「おっ!」ってなるのに。最大瞬間風速の作り方をわかってないな〜。

この役柄は、仲里依紗の旦那ぐらいなよっとしてた方が成長が際立って良いだろ!

『かっこいい枠』が星野源だけだと不十分ということなのかどうかは知らんが、キャスティングに多少の意義あり。

興味があればご覧ください。