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メラメラ女子のブログ

今日私はこれを読んだ。

 

『ある閉ざされた雪の山荘で』

東野圭吾

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そもそもこの本の存在を知ったのは、作家の朝井リョウさんの出演しているラジオ聞いていたとき。朝井さんが東野圭吾氏作品の中で好きな1冊として紹介していた。要するに、朝井さんのことが作品と人柄を含め大好きなので読んでみようと思った。

話は少しそれるが、宮崎あおい玉木宏が出演しているちょっと昔の映画「ただ、君を愛している」で宮崎あおい演じる主人公が「好きな人の好きな人を好きになりたい」と言っていたのを思い出す。ちと捻れた発言なんだが気持ちはわからんでもない。でも私はどちらかというと「好きな人の好きなものを好きになりたい」かもしれない。やっぱり心の広さが四畳半くらいしかないので「好きな人の好きな人は好きになれない」のが私クオリティ。以後お見知りおきを。

さて話を本に戻そう。

東野圭吾氏の作品は基本誰かがのっぴきならならい方法且つ結構な人数死ぬ、というイメージを誰もが持つだろう。マスカレードホテルシリーズとか、ガリレオとかがやはり有名だからね。この作品もヒットシリーズのカラーと遠くはないのだが、いつもよりアオハル要素があるなというのが感想。若さが弾けるというか、若いが故の愚かさと一生懸命さのバランスが絶妙。

そして設定が変。無理があるでしょ!ってツッコミたくなる。だって実際こんな状況に陥ったら私は私のことを優先するので率先して下山しますよ。だから成り立ちませんよと東野圭吾氏に言いたいのだが、若者って基本アホだし、誰かに反対されたらたじろぐし、自分のことを不死身または不死鳥と思ってるイタイ存在だからこんなありえない状況を成り立たせてしまうぐらいのミラクルは引き起こせるのかもしれない。そんなポテンシャルを感じれるから結果好きかも。

だが、ミステリーとしてはある種の圧倒的な優雅さがなんか足りない。設定が地に足つきすぎていてちと物足りない。アオハルとして見ると読めるが、ミステリーとして読むとトリック及び理由づけのパンチが弱い。刺激としては駄菓子のわたぱちぐらいの戦闘力。なんで「トリックを見破ってやる」って意気込むと空振り感が否めない。しかしミステリー初心者ならこのくらいわかりやすい方が楽しめるのかも。そういうわけで総合的に見て優秀なのでしょう。

星3つ。