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メラメラ女子のブログ

【天使なんかじゃない】名言で見る麻宮裕子の素晴らしさ。

 

昔の漫画は胸が苦しくなって心痺れるものが多い。

そんな風に思うのも、自分が歳を取ったせいか、なんて考えてしまい違う意味でも胸が苦しくなった。どうも、私です。

 

天使なんかじゃない。通称天ない。人類が読むべきバイブルとはこれのことじゃないだろうか。男・須藤晃も良いがやっぱり天ないで取り上げるべき人は主人公・冴島翠。の友人、麻宮裕子この方だろう。

麻宮裕子、通称マミリンの何が良いって存在そのものが尊い

だって、中学時代から1人の男の子にずっと片想いをし、一度思い切って告白するもフラれ(たと本人はおもっている)それでも想いを寄せ続けて早5年にもなるし、友達(冴島翠)と呼べる人が高校生になって初めてできて、正論で諭しながらも何かあったら全力で助けちゃってるし、自分の想い人の彼女にもフェアに対応するし。こんな良い女どこにいる?ああ、天使なんかじゃないの作中にいらっしゃったのですね、となる。

マミリンは人に好かれようとしてバランスの取れた耳障りの良い発言をする子ではなく、ただ自分の正義に忠実で思いやりはあるけど物言いが率直であるが故に誤解もされやすい。だから周りからちょっと浮いてしまうし、何かあっても1人でひっそり傷つくタイプ。

そんな嘘のつけないマミリンの飾らないストレートな物言いに度々グッとくる。

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天ないは名言豊富マンガで有名なのだがこれはまさしく名言中の名言

主人公に「マミリンは何になりたいのー?」と聞かれて彼女が放った一言がこれだ。

あたしは

冴島翠みたいになりたい

なんだこのストレートで相手の存在をまるっと肯定する一言は。こんなにも純粋に相手への忖度とか一個もなく、本心でこの一言を言える人間って人類史上マミリンだけじゃないかと思う。

これを言われた主人公も「額に入れて飾っておきたいセリフ」と言っていた。しかしこのセリフって言われた方を称えているが本当に称えられているのは言った方であると思えてならない。勿論マミリンからこの言葉を引き出した主人公もすごいのだが。

こんな透明度の高い言葉って誰にでも言えることじゃない。まず、こういう発想に至らないというのもあるが、同じようなことを思っていたとしても、実際に言葉にして相手に言うというのは天と地との差がある。

"冴島翠"の部分を自分の名前に変換しちゃったりすると読者の自己肯定感をも爆上げできる。マミリン本人はそんなつもりないだろうけど、まじあなたの一言はリアルに人を救うよ

天ないも少女漫画特有の恋愛青春ものなんだけど、なんだか少女漫画で区切ることのできない大事なものが描かれ色褪せず保管されている。

スマホもない時代を生きている登場人物たちによる生のやりとりや関わり合いを見て、その距離の近さにハッとする。人との関係性ってどうしてもめんどくさいし、もしかしたら自分が傷つく羽目になるかもしれないけど、そんなリスクを凌駕するほどのとびきり輝く瞬間が人との関係においてはやっぱあるんだよなって見せつけられる。

大人になって自分の痛みを上手にかわすことができるようになり、また誰かの痛みにもとても鈍感になった。社会で自分がしんどくなく生きていくにはどうしてもこのうすら寒いスキルが必要で別にそんな自分を恥じるつもりもないのだけど。

傷ついても真摯に自分の痛み悲しみにしっかりと浸り、存分に傷ついたからこそ流れでる惜しみない優しさでコーティングされた言葉を人に言えるってこれぞまさしく青春よね。

私もこの感覚をちょっとばかりか取り戻したい。その為にも定期的に天ないを読み返す必要があるな。

 

改めて矢沢あい先生の偉大さと、弾けるティーンの勢いに触れてサザエさん症候群を吹き飛ばした話でした。完